謝花昇―1

おさむちゃん

2008年01月26日 17:12

 八重瀬町(旧東風平‐こちんだ‐町)庁舎の庭に、一人の男の銅像が立っている。謝花昇。沖縄民権運動の父。明治15年、初の県費派遣留学生5人の一人として上京。
 それがどれほどの出来事であることかは、船旅で18日、東京に到着後、明治天皇に拝謁していることでも分かる。カタカシラ(チョンマゲのような髪型)に着物姿の写真が残っている。
 彼らは最後の琉球国王・尚泰の屋敷にも度々招かれた。尚泰は明治12年の琉球処分以来、東京住まいを強いられていた。琉球からの留学生に対して、なつかしさと期待で万感迫る思いだっただろう。
 しかし、彼らは「文明開化」の波に押され、ある日カタカシラを落とした断髪頭で現われる。以来、尚泰は彼らを寄せつけなかった。
 近代化に取り残された国王と、琉球の明日を担う青年達との交流は途絶えた。